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フィンテックは金融業界をどう変えるか 金融トレーダーの世界は今

 

大きな金融機関は常にライバルたちの先を行こうと目を見据えている。

 

情報は力である以上、より多く情報を保有し他社よりも早いタイミングで業務に取り掛かることが出来れば、競争に勝つことができる。

 

そんな金融機関では今、ロボ・トレーディングが大活躍している。

 

コンピュータは秒単位以下の時間内で複数回トレードを実行することができ、株価やインデックスのわずかな動きを使って利益を生み出すことができるのだ。

 

ニュージャージー州にある「Tradeworx」は、長距離通信網で使用されるアンテナ(Line of site)を30マイルごとに建設している。

 

このネットワークを使うことで、先物市場のあるシカゴのファイナンス情報をニューヨーク証券取引所まで送信する際、従来の光ファイバーよりも速いスピードで伝達することができるようになった。

 

その時間差はわずか2.3ミリ秒(千分の一秒)ときわめて小さい。

 

しかしこのわずかな時間短縮が、いわゆる「スラッシュ・トレーディング」と呼ばれる超高速トレーディングの世界では大きなメリットとなるのである。

 

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(その著作Flash Boys』で「フラッシュ・トレーディング」現象について検証した作家のマイケル・ルイス氏)

 

コンピュータというものは感情をもたない。

 

そのため、どんな状況に直面してもパニックに陥ることはない。欲望や恐怖にとらわれてしまうこともない。

 

また、コンピュータはどんどん利口になってゆくものである。

 

いわゆる機械学習人工知能が登場したことにより、コンピュータはニュースや研究結果、ソーシャルメディアなどをくまなくめぐり、そこにある数百というデータの集積から学び取り、自らを改良してゆくのだ。

 

たとえば、ニューヨークの「Rebellion Research」とカリフォルニアの「Sentient AI」は共同で、アルゴリズムが過去の誤りから学習し新たなルールを作り直す作業が人の手をほとんど借りずに行われる方法を研究している。

 

クラウドソーシングでヘッジファンドを運営する会社「Quantopian」によると、データの入手が思い通りでなかった時代には、人々は情報に寄り集まり、投資に必要なものをつかもうとしていた。

 

しかし現在は、人では決して分析できないような大量のデータを所持し、それを自動的に処理していくようになった、という。

 

かつてはロンドンでアルゴリズムを使ってトレーディングに携わっていた投資家であり、現在アイルランドのダブリン大学で数学を教えるユージーン・カシュダン教授は、もし人がデータひとつひとつを取り上げてみても、大して有用な情報にはならないだろう、と語る。

 

しかしコンピュータを使いほかの多くのデータと組み合わせて扱うことで、全体像が浮かび上がってくる、つまり人が認識できるようになり、買うか/売るかというシグナルを与えてくれるのである。

 

   

www.bbc.com