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チューリング・テストとELIZA 20世紀半ばに開発された「人工知能のさきがけ」とは?

 

人工知能とは、人に代わって周りにあるものを知覚し、さらに意思決定することができる機械、と定義することができる。

この機械は、人とのコミュニケーションを現実世界に即して再現することもできる。

 

1950年代から60年代にかけて、コンピュータ科学者のアラン・チューリングやジョセフ・ワイゼンバウムらが、人と同じようにコミュニケーションできるコンピュータという概念を考案した。

いわゆるチューリング・テストによる実験や、世界初のチャットボット・プログラム「ELIZA」の発明によりこの概念を形作っていったのである。

 

チューリング・テスト」は1950年にアラン・チューリングによって開発された。

 

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アラン・チューリング

 

人の知的活動と同じか、もしくは区別がつかないレベルの活動をするコンピュータ機能をテストするものだった。

このテストには3者が登場する。人間2人とコンピュータ1台だ。

プレイヤーC(人間)がコンピュータに質問を打ち込むと、プレイヤーAまたはプレイヤーBから答えをもらえる。

そこでプレイヤーCはAかBのどちらが人間で、どちらがコンピュータかを指定しなければならない。

コンピュータはプレイヤーCに対し専門用語を使って答えたり、人のコミュニケーションの場合と同じ言葉づかいで答えたりすることで、自分がコンピュータであることを察知させないようカムフラージュしてくる。

このゲームはプレイヤーにとって飽きないゲームである一方、コンピュータが最終的には馬脚を現してしまうものだった。

基本的なコーディングや人の使う言葉を作りだせなかったのが原因であった。

このゲームはAI時代よりはるか昔に開発されたが、それ以来人工知能というものが、私たちの技術・知識が十分に発展したときに実現できる目標として、私たちの心の中にとどまるきっかけとなった。

 

「ELIZA」は、コーディングされた世界最初のチャットボットである。

1966年にジョセフ・ワイゼンバウムが開発した。

 

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(ジョセフ・ワイゼンバウム) 

 

ELIZAはわずか200行のコードを使い、セラピストの言語を模倣するプログラムであった。

チューリング・テストと異なり、ELIZAには人かコンピュータかを当てるゲームは備わっていない。

使っている人は自分がコンピュータとコミュニケーションしていることを分かって使っているのである。

しかしそれでもELIZAが感情的な応答をしたときは、人はこのエリザを備えたコンピュータに引きつけられるように感じたと言われている。

このプログラムは当時評判となったが、チューリング・テストが陥ったのと同じ結果となった。

プログラムのコーディングが基礎レベルを出られなかったために、短い会話以上の能力がなかったのである。

 

これらの初期の発明からはっきりしたことは、人というものは、お互いがコミュニケーションするのと同じようにテクノロジーともコミュニケーションしたがるが、それが実現するためにはまだ技術・知識が十分ではない、ということだった。

 

しかしながら、この10年ほどの間、コンピュータ科学や工学の進歩は飛躍的に伸びた。

 

1990年代ですら予測できなかった移動可能なテクノロジーと機能の時代に私たちは生きている。

 

2016年は、コンピュータと話をするという、今まで成し遂げたかったことが始まった年になったのである。

 

   

 

A short history of chatbots and artificial intelligence | VentureBeat | Bots | by Nicolas Bayerque, Gone